2022/7/1

2023/02/01

ものづくり補助金は運送業でも活用できるのか

この記事の監修

NS&パートナーズ会計事務所代表税理士 鈴木良洋税理士/宅地建物取引士/経営革新等支援機関(財務局・経済産業局認定)

東京都中央区八重洲にてNS&パートナーズ会計事務所を開業。
創業・独立の支援、税務・会計・決算に関する業務、税務申告書への書面添付、
自計化システム導入支援などに従事。

ものづくりと聞いて、製造業のみの補助金?と思われがちですが、ものづくり補助金は製造業だけではなく、幅広い業種が対象の補助金となっており、製造業も申請可能です。 

今回は、そんな運送業でも活用できるものづくり補助金について詳しく解説していきます。

 

ものづくり補助金とは? 

 

ものづくり補助金とは、正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。 

中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。

ものづくり補助金には、大きく分けて「一般型」と「グローバル展開型」の2種類があります。

 

【一般型】

概要:革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援

補助上限:1250万円

補助率:補助対象経費の2分の1(小規模事業者は3分の2) 

 

【グローバル展開型】

概要:海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資等を支援

補助上限:3000万円

補助率:補助対象経費の2分の1(小規模事業者は3分の2)

 

ものづくり補助金の対象となる条件とは

 

ものづくり補助金に応募するための要件は下記の通りです。

 ○すでに創業している

 ○中小企業であること

○以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書を策定していること。

 ・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加

 ・事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にす る

 ・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

 

申請の際の注意点

 

GビズIDの取得が必要

「GビズID」とは、1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムです。IDとパスワードを取得すれば、電子申請が簡単にできるというもの。申請には必ずGビズIDの取得が必要になります。ただし、取得まで3~4週間ほどの期間を要しますので、ものづくり補助金をご検討されている方は早めに申請しましょう。

購入済みの設備は適用できない

 補助対象経費は、交付決定を受けた日付以降に発注を行い、補助事業実地期間内に支払を完了させたものに限ります。間違っても、交付決定前に設備購入しないよう気を付けましょう。

 

運送業の過去の採択事例

 運送業でも活用できるものづくり補助金ですが、過去の数々の採択事例をご紹介します。

・ディーゼル車排出NO×分解触媒用尿素水の高品質化事業

・荷姿の判別機能を有するロボットの導入による荷役作業の軽減と生産性向上

・ITを活用した24時間利用可能な内陸コンテナターミナル建設事業

・引っ越し作業用作業設備導入による作業の高効率化・収益性改善とサービス向上への取組み

・農作物別に温度管理が可能な大型冷凍庫の導入により新しい流通システムの一翼を担い、生産性の収入UPにも貢献

 出典:ものづくり補助金総合サイト

 

ものづくり補助金のスケジュールは?

 

14次締切分のスケジュールは以下の通りです。

公募開始:令和5年1月11日(水) 17時~
申請受付:令和5年3月24日(金) 17時~
応募締切:令和5年4月19日(水) 17時
採択発表:令和5年6月中旬頃

 出典:ものづくり補助金総合サイト

 

ものづくり補助金の必要書類とは?

 

提出する書類には、必ず提出しなければならない「必須書類」と、提出すれば加点される「任意書類」の2種類があります。

 【必須書類】

1)事業計画書

2)賃上げ引上げ契約書

3)決算書等

4)従業員数の確認資料

5)労働者名簿

 【任意書類】

6)経営革新計画承認書等

7)開業届または履歴事項全部証明書

8)事業継続力強化計画認定書

9)特定適用事業所該当通知書

 

必須書類

1)事業計画書

事業の具体的な内容等を記載します。

その1:補助事業の具体的取組内容

その2:将来の展望

その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠

 

2)賃上げ計画の契約書

賃上げ引上げ計画を従業員に表明したことを示す書類

 

3)決算書等

直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細

個人事業主の場合は確定申告書等を添付します。

設立2年目の場合は1年分を添付し、設立1年目の場合は設立事業計画書を添付します。

 

4)従業員数の確認資料

法人の場合:法人事業概況説明書

個人の場合:所得税青色申告決算書 または 所得税白色申告収支内訳書 

 

5)労働者名簿

下記の2点に当てはまる場合には、労働者名簿も用意する必要があります。

・応募申請時の従業員数が21名以上である

・「従業員数の確認資料」における期末の従業員数が20名以下の場合

 

任意書類

6)経営革新計画承認書等

成長性加点・・・経営革新計画承認書及び承認を受けた計画書を添付します。

 

7)開業届または履歴事項全部証明書

政策加点・・・創業、第二創業間もない事業者(5年以内)については政策加点を受けられます。

 

8)事業継続力強化計画認定書

災害等加点・・・事業継続力強化計画の認定を取得している事業者は災害加点を受けられます。

 

9)特定適用事業所該当通知書

賃上げ加点・・・被用者保険の任意適応をしている事業者は、賃上げ増加要件の緩和及び賃上げ加点を受けられます。

 

まとめ

 

いかがでしたか。運送業でも、ものづくり補助金をうまく活用できれば、革新的なサービスや競合他社との差別化を図ることができます。考えている事業にかかる経費が対象になるのかなど、公募要領に記載してありますので確認してみてください。補助金額が大きいものづくり補助金、ぜひ今後の事業拡大に活用してみてはいかがでしょうか。

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