2021/8/11

2022/11/02

ものづくり補助金とは?対象や申請方法をわかりやすく解説

この記事の監修

NS&パートナーズ会計事務所代表税理士 鈴木良洋税理士/宅地建物取引士/経営革新等支援機関(財務局・経済産業局認定)

東京都中央区八重洲にてNS&パートナーズ会計事務所を開業。
創業・独立の支援、税務・会計・決算に関する業務、税務申告書への書面添付、
自計化システム導入支援などに従事。

ものづくり補助金の目的

 

ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者が取り組む、革新的なサービスや試作品開発、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金です。

補助上限額が750万円~3,000万円という大規模な補助金制度で、新たな取組みにチャレンジしたい事業者の方には、ぜひ活用していただきたい補助金です。ものづくり補助金は申請すれば必ずもらえるというものではなく、事業計画書や必要書類を提出し、採択されることで受給することができます。

 

ものづくり補助金の種類

 

ものづくり補助金では、5つの申請枠から構成されています。

補助上限額や補助率は、申請される枠、類型や従業員の人数によって異なります。

 

一般型

<通常枠>

概要:革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援

補助上限:1250万円

補助率:補助対象経費の2分の1(小規模事業者は3分の2)

 

<回復型賃上げ・雇用拡大枠>

概要:業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が行う、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援

補助上限:1250万円

補助率:補助対象経費の3分の2

 

 <デジタル枠>

概要:DXに資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援

補助上限:1250万円

補助率:補助対象経費の3分の2

 

<グリーン枠>

概要:温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援

補助上限:2000万円

補助率:補助対象経費の3分の2

 

グローバル展開型

概要:海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資等を支援

補助上限:3000万円

補助率:補助対象経費の2分の1(小規模事業者は3分の2)

 

ものづくり補助金の旧3類型

 

現在は【一般型】と【グローバル展開型】の2種類の型から構成されていますが、ものづくり補助金は2022年に大きな見直しが行われ、以前は【ビジネスモデル構築型】もありました。

現在は新規で申請することは出来ませんが、今後も同様の類型が誕生する可能性はゼロではありません。そこで【ビジネスモデル構築型】の概要も解説します。

 

 ビジネスモデル構築型

概要:他の中小企業の成長や生産性向上に貢献する取り組みをする企業を支援

補助上限:1億円

補助率:大企業2分の1(その他3分の2)

補助要件:以下の要件をすべて満たす必要がある。

 

  • 中小企業30者以上を支援すること
  • 補助事業終了後1年で支援先企業の80%以上が事業計画を実行できること
  • 事業計画の策定支援プログラムは、3年から5年の間に以下のすべてを満たす必要がある。    
  1. 付加価値額+3%以上/年
  2. 給与支給総額 +1.5%以上/年
  3. 事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円

 

ものづくり補助金の対象

 

ものづくり補助金の対象者は、中小企業者や個人事業主、特定非営利活動法人です。

ものづくり補助金はネーミングから、何かものを造っている業種しか対象にならないと思われがちですが、そんなことはありません。どんな業種でも申請することができます

 

【中小企業者】

資本金又は従業員数が下表の数字以下となる会社又は個人であること。

業種 資本金 従業員数(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業 3億円 900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

 

【中小企業者(組合関連)】

下表にある組合等に該当すること

組織形態
企業組合
協業組合
事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
商工組合、商工組合連合会
商店街振興組合、商店街振興組合連合会
水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会
生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会
内航海運組合、内航海運組合連合会
技術研究組合(直接又は関節の構成員の3分の2以上が中小企業者であるもの)

該当しない組合や財団法人、社団法人、医療法人、社会福祉法人、法人格のない任意団体は補助対象となりません。

 

【特定非営利活動法人】

広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行う特定非営利法人で一定の要件を満たす場合には補助対象者となります。

 

【申請対象外】

  • みなし大企業

発行済み株式総数の半分以上を大企業が所有していたり、役員構成の半分以上が大企業の役員などの会社は、大企業とみなされてしまい補助対象から外れてしまいます。

  • 直近過去3期分において、課税所得の平均が15億円を超える企業も補助対象とはなりません。

 

ものづくり補助金の最新スケジュール

 

13次締切分のスケジュールは以下の通りです。

公募開始:令和4年10月24日(月) 17時~
申請受付:令和4年11月   7日(月) 17時~
応募締切:令和4年12月22日(木) 17時

出典:ものづくり補助金総合サイト

 

ものづくり補助金の申請書や公募要領の入手方法

「ものづくり補助金総合サイト」内の、公募要領ページより公募要領のPDFおよびWord形式の事業計画書を入手することができます。

▸ものづくり補助金総合サイトはこちらから

 

ものづくり補助金申請の必要書類

 

「必須の提出書類」

名称            内容
(1)事業計画書 その1:補助事業の具体的取組内容

その2:将来の展望

その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠

(2)賃金引上げ計画の表明書 ・申請時点の直近月の事業所内最低賃金

・直近決算における給与支給総額

・従業員代表者からの押印・署名

・賃金引上げ計画に該当する基準

①事業計画終了までの間に従業員への給与総支給額が年率1.5%増加する。

②事業計画終了までに最低賃金を地域最低賃金+30円にする。

③事業計画終了までに付加価値を円率平均3%以上増加する。

(3)決算書等 ・2期分の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理明細書、個別注記表

・個人事業主の場合には2期分の確定申告書

・開業設立後2年以内の場合には1期分

・決算を迎えていない場合には、今後の収益見込みを反映した事業計画書と収支予算書

(4)従業員数の確認資料 法人と個人で必要な提出書類が異なります。

法人:法人事業概況説明書の写し

個人事業主:所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書の写し

(5)労働者名簿 下記の2点に当てはまる場合には、労働者名簿も用意する必要があります。

・応募申請時の従業員数が21名以上である

・「従業員数の確認資料」における期末の従業員数が20名以下の場合

(6)労働者名簿 小規模事業者の場合に限る

 

「任意提出書類(加点項目)」 

提出すれば、加点を受けることができる任意の提出書類になります。

名称 内容
(7)経営革新計画承認書等 ・各都道府県知事の承認を要するため、取得までに時間がかかる

・申請締切日時点で認定(承認)を受けた計画期間が終了していない場合のみ対象

(8)事業継続力強化計画認定書等or連帯事業継続力強化計画認定書 ・経営革新計画承認書等に比べて取得が簡単

・申請締切日時点で認定(承認)を受けた計画期間が終了していない場合のみ対象

(9)開業届or履歴事項全部証明書 ・開業5年以内に得られる政策加点

・法人の場合は、履歴事項全部証明書

・個人事業主の場合は、開業届

(10)特定適用事業所該当通知書 ・年金事務所から通知を受けている事業者が対象

 

必要書類について詳しくは下記記事を参照して下さい。

▸ものづくり補助金必要書類とは?

 

ものづくり補助金の申請方法

 

ものづくり補助金の申請は電子申請となっています。申請する場合には、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要となります。発行までに3週間程度を要しますので、申請をお考えであればまず最初にGビズIDプライムアカウントの発行手続きを進めて下さい。

必要書類がそろったら、ものづくり補助金総合サイトの「電子申請システムのページへ」からシステムにログインし、必要事項の入力及び書類を添付して申請します。

 

ものづくり補助金の申請手続きと流れ

 

STEP1.事前準備

電子申請に必要なGビズIDプライムアカウントの発行手続き等を行います。

STEP2.公募開始

公募要領は申請回により内容が変わることがあります、申請回の公募要領に沿った内容の事業計画の策定及び必要書類の準備が必要です。

STEP3.申請受付

申請期間内に必要書類をまとめて、電子申請します。

STEP4.採択通知

1ヵ月半~2ヵ月で採択結果が公表されます。採択者にはメールで採択の通知があります。

STEP5.交付申請・交付決定

事業計画に必要な経費の見積書などを準備して事務局の確認を得ます。交付申請の結果、交付決定を受けるまでは設備の発注などはできません。

STEP6.補助事業実施

補助事業実施期間の10ヵ月以内に、事業計画に記載した設備等の発注・契約・支払いを行い、補助事業を完了します。全ての補助事業を10ヵ月以内に終わらせる必要があります。

STEP7.中間監査・実績報告

中間検査を経て補助事業終了後、事務局へ実績報告書を提出します。補助金額は最終的に補助事業実施期間に支払った費用により確定します。

STEP8.確定検査(交付額の決定)

実績報告書の提出後、確定検査により補助事業実施期間の取組みや成果の説明を行います。

STEP9.補助金請求、支払い

実績報告及び確定検査に問題がなければ、補助金額が確定します。ここまできて補助金の請求、支払いを受けることができます。設備購入に借入が必要な場合は事前に金融機関への相談が必要となります。

STEP10.事業化状況報告

補助事業完了後5年間は、毎年事業の状況を報告する必要があります。

 

 ものづくり補助金の申請における注意点

 

  • 申請しても採択されない場合がある

ものづくり補助金は、補助金の予算枠が決められているため、申請をすれば必ず通るというものではありません。近年の採択率は5~6割程度とされており、申請をした企業の半数は不採択となっています。以前よりも採択率は高い傾向にありますが、いまだに狭き門となっているのが現状です。

締切回 応募者数 採択者数 採択率
7次 5,507 2,768 50.3%
8次 4,653 2,780 59.7%
9次 3,613 2,247 62.2%
10次 4,294 2,612 60.8%
11次 4,668 2,786 59.7%

 

  • 補助事業期間が決まっている

補助金が採択されると、補助事業実施期間が決定されます。補助事業実施期間は、交付決定から最大10カ月間です。補助対象となるのは、この最大10カ月間の間の支出された経費のみが対象となります。補助事業期間の前後の支出については、補助金対象にはなりませんので注意しましょう。

 

  • 採択された後にも手続きが必要

ものづくり補助金は、採択を受けたらそれで終わりではありません。採択後、交付申請手続きを行い、定められた補助事業期間に経費を立て替え払いしながら事業を実施します。その後、中間監査や実績報告の手続きを経て、ようやく補助金が振り込まれます。採択を受けてから補助金が下りるまでは時間を要するため、資金繰りには注意が必要です。

また、補助金を受けてから5年間は、補助を受けた事業の成果報告書を提出する義務があります。

 

まとめ

いかがでしたか。ものづくり補助金は、税金を使用した国の補助金であるため、申請の準備から受給まで多くの段階を踏んでいかなければなりません。事業計画の策定では、確実に審査項目を押さえた計画書の作成が必要になります。ですが、補助金額も大きいため、大変人気がある補助金制度です。活用すれば自己負担を軽減しながら、事業を拡大するチャンスになります。興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。

NS&パートナーズでは、補助金の申請サポートも行っております。ぜひお気軽にご相談ください。

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