2021/10/11
2022/11/02
ものづくり補助金の必要書類とは?事業計画書の書き方のポイントや申請方法を解説
目次
ものづくり補助金とは
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるための設備投資支援を支援します。
▼詳しくは下記記事をご参照下さい。
ものづくり補助金の申請方法
電子申請のためのGビズIDを取得する
「GビズID」とは、1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムです。IDとパスワードを取得すれば、電子申請が簡単にできるというもの。申請には必ずGビズIDの取得が必要になります。ただし、取得まで3~4週間ほどの期間を要しますので、ものづくり補助金をご検討されている方は早めに申請しましょう。
ものづくり補助金を申請する際の必要書類
ものづくり補助金は大きく分けて4段階。それぞれの段階で用意する書類があります。
①申請時 ②交付申請時 ③遂行状況報時 ④実績報告時
① 申請時に必要な書類
ものづくり補助金申請時に必要となる書類については、提出が義務付けられている「必須書類」と、提出すると加点要素となる「任意提出書類」に分けられます。
「必須の提出書類」
名称 | 内容 |
(1)事業計画書 | ・補助事業の具体的取組内容
・将来の展望 ・事業計画における付加価値額等の算出根拠 |
(2)賃金引上げ計画の表明書 | ・申請時点の直近月の事業所内最低賃金
・直近決算における給与支給総額 ・従業員代表者からの押印・署名 ・賃金引上げ計画に該当する基準 ①事業計画終了までの間に従業員への給与総支給額が年率1.5%増加する。 ②事業計画終了までに最低賃金を地域最低賃金+30円にする。 ③事業計画終了までに付加価値を円率平均3%以上増加する。 |
(3)決算書等 | ・2期分の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理明細書、個別注記表
・個人事業主の場合には2期分の確定申告書 ・開業設立後2年以内の場合には1期分 ・決算を迎えていない場合には、今後の収益見込みを反映した事業計画書と収支予算書 |
(4)従業員数の確認資料 | 法人と個人で必要な提出書類が異なります。
法人:法人事業概況説明書の写し 個人事業主:所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書の写し |
(5)労働者名簿 | 下記の2点に当てはまる場合には、労働者名簿も用意する必要があります。
・応募申請時の従業員数が21名以上である ・「従業員数の確認資料」における期末の従業員数が20名以下の場合 |
(6)労働者名簿 | 小規模事業者の場合に限る |
上記書類に加え、「この条件をクリアしたら加点されるよ(採択率が上がるよ)」という加点項目があります。任意提出の書類は基本的に加点を狙うためのものです。
「任意提出書類(加点要素)」
名称 | 内容 |
(7)経営革新計画承認書等 | ・各都道府県知事の承認を要するため、取得までに時間がかかる
・申請締切日時点で認定(承認)を受けた計画期間が終了していない場合のみ対象 |
(8)事業継続力強化計画認定書等or連帯事業継続力強化計画認定書 | ・経営革新計画承認書等に比べて取得が簡単
・申請締切日時点で認定(承認)を受けた計画期間が終了していない場合のみ対象 |
(9)開業届or履歴事項全部証明書 | ・開業5年以内に得られる政策加点
・法人の場合は、履歴事項全部証明書 ・個人事業主の場合は、開業届 |
(10)特定適用事業所該当通知書 | ・年金事務所から通知を受けている事業者が対象 |
②交付申請時に必要な書類
交付申請とは、採択が決まった後に正式に金額や内容を決定する手続きです。交付申請では、申請時の書類に加え、以下の書類が必要になります。加えて、申請時に提出した書類に変更がある場合には、変更後のものを提出します。
- 見積書
- 相見積書
③遂行状況報告に必要な書類
追加で必要になる書類は下記1点のみです。設備の導入などの進行状況を報告する手続きです。様式をダウンロードして必要箇所を記入するだけなので、簡単に作成できます。
- 遂行状況報告書
④実績報告に必要な書類
1)実績報告書
2)取得財産等管理台帳
3)出納帳
4)見積依頼書(仕様書)
5)注文書
6)受注書
7)納品書
8)請求書
9)振込依頼書
10)費目別支出明細書
11)画像データ(導入した設備を撮影)
12)受払簿
設備の導入や検証が完了したことを報告する手続きです。基本的には設備購入・導入時の際にでる書類ですが、中には実績報告書といった自分で作成しなければならないものも含まれています。不備があった場合には何度も修正しなければならず、自己負担の作業割合が高い面倒な手続きの一つです。
ものづくり補助金の事業計画書や公募要領の入手方法
事業計画書策定にあたっての参考様式や公募要領は、「ものづくり補助金公式ホームページ」から入手可能です。公募要領とは、応募に際してのルール・規則を定めたものです。この公募要領に必要書類や審査項目がすべて書かれていますので、ダウンロードして確認するようにしましょう。
事業計画書の書き方のポイント
3つの審査項目を意識している
技術面
- 製品やサービスの開発が革新的であるか
- 課題とその解決方法が明確で具体的か
事業化面
- 事業化の方法、スケジュール等が具体的か
- 提供する製品、サービスの市場ニーズ、マーケットが明確か
- 企業の収益性・生産性は向上するか
政策面
- 地域経済への貢献など国の政策に合致しているか
加点項目を確認しておく
ものづくり補助金は、たった1点で合否が分かれる可能性があります。審査における採点を少しでも上げるためには、加点項目を確認しておきましょう。
【成長加点】
「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」に対し加点されます。
必要書類:経営革新計画承認書
【災害加点】
「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」に加点されます。
必要種類:事業継続力強化計画認定書(又は連携事業継続力強化計画認定書)
【政策加点】
「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」であることを証明することで加点されます。
必要書類:履歴事項全部証明書(法人の場合)・開業届(個人の場合)
【賃上げ加点等】
「支給要件等を満たすこと」で賃上げ加点等が受けられます。
必要書類:特定適用事業所該当通知書
自分で判断せず専門家に相談する
ものづくり補助金は、自分で事業計画書の作成や申請をすることが可能です。しかし、その準備にはかなりの手間と時間がかかります。自分で判断すると申請ミスなどの失敗も起こり得るため、不採択の可能性も出てきます。採択されるためには専門家の申請サポートを受けることも検討に入れておくと良いでしょう。
ものづくり補助金の申請手続きの流れ
令和4年度は、応募期間を2カ月、審査期間を約1か月として、6月・9月・12月・3月の四半期ごとに採択発表を行う予定です。
採択されたら、採択発表後、交付申請を行い事務局にて交付決定を行います。交付申請から交付決定までの期間は、申請内容によって異なりますが、標準的なスケジュールで約1か月となります。
採択された事業者の方は、交付決定後より補助事業を開始することが可能となります。

まとめ
いかがでしたか。必要書類は以前に比べ、大幅に減少傾向にありますが、事業計画書の内容の完成度は、依然として高いレベルを求められています。個人で作成・準備するには困難な手続きであることには変わりありません。また添付書類や手続きに漏れがあった場合、加点を受けられなかったり、申請が出来ない原因にもなります。手続きや必要書類の漏れが無いよう、時間に余裕を持って、しっかりと確認しながら準備をしていきましょう。