2021/10/18
2022/11/02
ものづくり補助金の加点項目とは? 採択に近づくための加点項目の考え方
目次
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは、正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
ものづくり補助金の採択率
ものづくり補助金は、補助金額が最大で1,250万円という大規模な支援制度で、直近の採択率は40~60%前後で推移しています。2022年9次締切の採択率は全体で62.2%でした。前回の8次締切では59.7%でしたので、やや増加傾向にあります。
ものづくり補助金の申請における加点項目とは?
ものづくり補助金の加点項目とは、決められた基準をクリアすると、採択を決める審査時に加点を受けられる制度のことです。
この加点項目は任意となり、加点を望むのであれば必要書類を用意します。
下記のグラフは、ものづくり補助金における、加点項目の数と採択率の関係性を表したデータになります。
このグラフでは、加点項目が多ければ多いほど、採択率が高くなるのが見て分かります。
ものづくり補助金は1点、2点で合否が分かれる可能性もあるので、採択率を高めるためには、加点項目の積み重ねが重要になります。該当する加点項目があれば必ず適用しましょう。
ものづくり補助金の加点項目一覧
ものづくり補助金の加点項目は次の4つです。
① 成長性加点 ② 政策加点 ③ 災害等加点 ④ 賃上げ加点等
① 成長性加点
有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者は加点を得られます。
経営革新計画とは、チャレンジしたい事業を計画書に起こし、「経営革新計画」として、都道府県知事等の承認を得る制度です。経営革新計画の認定を受けると、ものづくり補助金の加点だけではなく、融資を受ける場合などにも優遇措置が受けられますので、小規模事業者や中小企業者はぜひとも認定を受けておきたい制度です。
必要書類は「経営革新計画承認書」です。
② 政策加点
下記の条件に当てはまる場合に加点を得られます。
- 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
- パートナーシップ構築宣言を実地
- 再生事業者
- デジタル技術の活用およびDX推進の取組(デジタル枠のみ)
必要書類は、法人の場合「履歴事項全部証明書」、個人の場合「開業届」です。
デジタル枠へ応募する場合は、「デジタル技術の活用およびDX推進の取組状況」も添付します。
③ 災害等加点
有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者は加点を得られます。
事業継続力強化計画とは、中小企業・小規模事業者が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業省が「事業継続力強化計画」として認定することです。事業継続力強化計画の認定を受けた中小企業・小規模事業者は、ものづくり補助金の加点以外にも税制措置や金融支援などが受けられます。
必要書類は「事業継続力強化認定書」です。
④ 賃上げ加点等
下記のいずれかひとつでもクリアすると、加点対象になります。
- 事業計画期間において、給与総支給額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業
事業計画において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者
- 被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合
被用者保険の適用拡大を申請する場合は、「特定適用事業所該当通知書」の提出が必要です。
ものづくり補助金の基本の審査項目
基本の審査項目とは、最低限おさえておくべきポイントになります。
任意である加点項目とは別に、基本の審査項目を満たしていないと、そもそも審査には通らないものになります。
補助対象事業としての適格性
- 給与支給総額の年率平均を1.5%以上増加させること
- 事業場内の最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準にすること
- 事業者全体の付加価値額の年率平均3%以上増加させること
技術面
- 製品やサービスの開発が革新的であるか
- 課題や目標が明確であるか
- 課題の解決方法の優位性があるか
- 技術的能力
事業化面
- 事業実施体制は具体的であるか
- 市場ニーズの有無はあるか
- 企業の収益性・生産性は向上するか
- 事業化までのスケジュールの妥当性はあるか
政策面
- 地域経済への波及効果はあるか
- 国の政策に合致しているか
- イノベーション性はあるか
- ニッチトップとなる潜在性はあるか
減点項目について
① 過去3年間に、類似の補助金の交付決定を1回受けている場合、減点になります。
(過去3年間に、既に2回以上交付決定を受けた事業者は申請対象外になります)
② 回復型賃上げ・雇用拡大枠において、繰越欠損金によって課税所得が控除されることで申請要件を満たしている場合
まとめ
ものづくり補助金の申請において、基本の審査項目を押さえた事業計画を作ることは大前提ですが、採択率を上げるためにも、加点項目にも注目してみましょう。繰り返しになりますが、加点項目は申請内容に関係なく提出すれば加点されるものになりますので、ひとつでも多く活用することが重要です。