2021/11/1

2022/06/10

ものづくり補助金は個人事業主でも申請できるのか?

この記事の監修

NS&パートナーズ会計事務所代表税理士 鈴木良洋税理士/宅地建物取引士/経営革新等支援機関(財務局・経済産業局認定)

東京都中央区八重洲にてNS&パートナーズ会計事務所を開業。
創業・独立の支援、税務・会計・決算に関する業務、税務申告書への書面添付、
自計化システム導入支援などに従事。

ものづくり補助金は個人事業主でも申請可能

 

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者を支援するための制度であり、大企業は対象になりません。

このうち個人事業主は、中小企業に含まれるため、問題なく対象となります。

採択されれば、更なる事業拡大に役立てることができます。

 

ものづくり補助金の申請条件

 

設備投資を行い、革新的な開発や製造を行うこと

大前提として、ものづくり補助金の対象となるのは設備投資にかかる費用ですが、ただ設備を新調するだけでは認められません。生産性向上を目的とした革新的な取り組みなどを行おうとしている事業者を支援することが本事業の目的です。

 

申請時点で創業している

ものづくり補助金の対象となるには、すでに創業していることが条件となり、創業予定の段階では申請することはできません。

税務署に開業届を提出していることが前提条件となります。

 

資本金又は従業員数が一定の基準以下である

下記表の、資本金と従業員数のいずれかの数字以下となる中小企業者・個人事業主が対象になります。

業種 資本金 従業員数
製造業、建設業、運輸業

ソフトウェア業、

情報処理サービス業、

その他

3億円以下 300人以下
ゴム製造業 3億円以下 900人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
その他サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

 

 

賃上げ引上げ計画の表明をしていること

ものづくり補助金を申請する際には、次の3つの項目をすべて実行することを、従業員に表明している必要があります。

・役員従業員への給料支給額を年間で1.5%引き上げする

・最低賃金を地域別最低賃金から30円以上アップする

・付加価値を年間で3%以上増加させる

申込にあたっては、その証明書類を提出することになります。

 

ものづくり補助金における個人事業主の採択率

「ものづくり補助金」における個人事業主の採択率は高いものとはいえず、およそ13%程度に留まっているのが現状です。公募によって多少の変動はありますが、前提としてその数字は高くはないという理解が必要です。

公募 個人事業者数 全体採択数 採択率
平成21年1次 522 9,443 5.5%
令和元年5次 302 2,291 13.1%
令和元年6次 321 2,326 13.8%

 

しかし、平成21年の1次公募で採択された個人事業主の割合は全体の5.5%でしたが、近年2回の公募の採択率と比較してみてみると、その数値は確実に増加しています。

ものづくり補助金全体における個人事業主の割合は少しずつではありますが増えてきている状況です。

ではなぜ増加しているのか?

大きな理由の一つとして考えられるのが申請条件としての「給与アップの義務化」です。

ものづくり補助金の賃上げ要件には、①給与支給総額、②事業場内最低賃金、といった2つの項目があり、いずれの要件も満たす事業計画書を作成する必要があるのです。

中小企業の中には少額の賃上げでも簡単には行えないケースもあるため、この条件を満たすことができない中小企業からの申請が減った分、個人事業主の採択率が増えた可能性が大いに考えられます。

 

ものづくり補助金で採択されやすい個人事業

個人事業のなかでも採択事例として多いのが、歯科医院です。

新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業種でありながら、歯科治療を希望する全員を受け入れ可能な体制を確立し、質の高い診断・治療の提供を図った事業計画が採択されたりしています。

また、動物病院も数多く採択されています。

動物も人間と同じ高度医療が求められ、高額な高度医療機器を使った診療が増えています。そのため診査精度を向上させることにより、高齢化したペットへ高度な検査を可能にする取り組み等により採択されています。

他にも製造業の採択率も非常に高くなっています。

大きな要因としては、「賃上げ加点」を比較的狙いやすい業種であることがあげられます。

補助金の要件の給与支給額の引き上げも含まれていますが、基準を大幅に超えると加点される仕組みです。飲食業などは、最低賃金を大幅に引き上げていくのは難しいことから、製造業は比較的対応しやすいでしょう。

 

個人事業主の申請における課題

ものづくり補助金における個人事業主の採択率が低いということは、それだけ中小企業と比べて不利ともいえます。その理由として挙げられるのが下記のような課題です。

 

技術的能力

技術面に関する審査項目であり、補助事業実施のための体制だけでなく技術的能力が備わっているかどうかが評価されます。

採択されるには技術力のアピールとその内容に革新性が必要となり、社員や従業員の数が一定数いる中小企業では社員からも意見を募るなどして様々なアイデアを考えることができますが、個人事業主で小規模な事業者の場合にはこれが難しくなってしまいます。

 

補助事業実施のための体制

ものづくり補助金の審査・評価では、設備投資により取り組む事業を成功させるための社内体制が十分に整っているかということも評価の対象になります。

補助事業を実施する上では機械などの設備選定に加え、事業化に向けた各種手続き全般を担当する人員が必要なため、人材が充実している規模の大きい会社の方が有利です。

個人事業主の場合この体制を整えるのが困難であり、できていない場合には机上の空論と思われてしまう可能性もあるため審査に大きく影響してきます。

実効性がないと判断された場合には採択は難しくなってしまうでしょう。

 

財務状況

特に小さな企業は財務状況が時期によって悪くなり得るため、このような点も審査の段階で評価が低くなってしまうポイントです。

売上がある程度安定している中小企業とは異なり、財務状況が厳しい場合には事業計画書の信頼性が損なわれてしまう恐れもあります。

 

ものづくり補助金が使いにくい

ものづくり補助金は最大1,250万円までの補助という上限額に気を取られ、一方で最低100万円以上が条件であることは見落とされがちです。

仮に、補助率が3分の2である個人事業主や小規模事業者が100万円以上の条件を満たそうとする場合、150万円以上(税抜き)の設備投資を行う必要があります。

必要以上の設備投資を行うことで資金負担が重くなりすぎることもありうるため、申請したくても申請までたどり着けない、途中で頓挫した個人事業主の方の数は中小企業よりも多いのではないでしょうか。

 

個人事業主の加点項目

加点項目とは事業計画に対する審査や評価とは別で受けられる優遇措置のことです。

ものづくり補助金では、従業員数が5人以内(製造業・宿泊業・娯楽業では20人以内)であれば加点を受けられるので、全く同じ事業計画書を作成した複数の企業があるとするならば、小規模事業者として加点を得たほうが審査は有利になります。

 

まとめ

ものづくり補助金で採択されるためには、公共性や革新性のある事業かどうかを精査するようにしましょう。本当に必要だと判断されれば、採択される可能性が高くなるはずです。

例え個人事業主の方であったとしても事業計画が洗練されたものであれば、採択される可能性は十分にあります。

 

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