2021/11/8
2022/01/10
ものづくり補助金の成功報酬について解説
申請のサポートを委託するといくらかかるのか
中小企業の設備投資を最大1,000万円まで支援してくれるものづくり補助金。人気の高い補助金ですが、その難易度を考慮して専門家に申請の代行を依頼する方、また依頼を検討している方がほとんどだと思います。
しかし、いざ申請を依頼する際に特に気になる点の一つが申請にかかる費用でしょう。
今回はそんなものづくり補助金の申請代行にかかる専門家報酬についてみていきます。
ものづくり補助金申請の費用体系
専門家報酬には主に2つあります。着手金と成功報酬です。
着手金:採択の可否に問わず、計画書作成などの稼働がかかる分に対して、前払する形で支払う最低限の報酬
成功報酬:採択された場合に発生する報酬
「交付決定額の何%」という設定をしているケースが多い
ものづくり補助金の申請において専門家に支払う費用には、依頼する専門家や、依頼内容に応じてその体系は異なります。その中でも、ものづくり補助金の申請を行っている専門家料金は以下の内容から構成されているケースが多く見受けられます。
・着手金
・事業計画作成費用
・成功報酬(採択)
・モニタリング+実績報告書作成費用(補助事業実施期間)
・モニタリング+事業化報告書作成費用(事業化期間)
〈料金体系の参考例〉
項目 | 目安金額 | 備考 |
着手金 | 5~10万円 | 不採択の場合、この費用の負担だけとなります |
事業計画作成費用 | 5万円 | 採択の場合の追加費用 |
成功報酬 | 採択額の10~20%程度 | 事業実施期間及び事業化期間の支援費用 |
ものづくり補助金の申請サポートの相場
一般的な相場観としては
着手金:5~15万円程度
成功報酬:獲得金額の10%前後
とするところが多いようです。決して安い金額ではありません。
しかし、補助額の大きさとかかる手間を考えればこの程度が妥当でしょう。
費用をイメージするため、具体例を相場金額で計算してみましょう。
例)採択額500万円、着手金10万円、成功報酬は採択額の10%の場合
10万円+50万円(=500万円×10%)=60万円 となります。
この場合に上記概算額よりはるかに高い金額を要求されるようであれば考え直すか、ほかの方にも相談してみることをお勧めします。
例えば20%以上の成功報酬を要求する会社もあるようですが、実際に依頼する際には相場観を常に念頭に置いておくことをおすすめします。
専門家選びのポイント
ものづくり補助金の本来の目的は、補助金の制度化により中小企業の生産性向上に資する取り組みを支援することであり、採択を得ることは通過点に過ぎません。
そのため採択後の事業実施に専門家の支援は不可欠です。専門家を賢く活用するために下記の点は契約の前に確認しておくべきでしょう。
・中小企業庁の注意喚起レターにある不適切な事例を確認すること
・採択後のフォローは確実に
・サービスレベルと料金を事前に契約書で合意すること
また最近では、「補助金申請の採択率〇%以上」などの謳い文句でPRされているケースもあり、どの補助金(ものづくり補助金、IT補助金、小規模事業者持続化補助金等)の成績が、それぞれ何件中何件採択されたのか、そしてそれは誰が作成した実績なのかを確認事項に含めることをおすすめします。
完全成功報酬(着手金等なし)のメリット・デメリット
着手金や事業計画作成費用を受け取らず、完全成功報酬制とする専門家も存在します。
こういった完全成功報酬制の場合、事業者側には、不採択となった時に費用が発生しないメリットがある一方、採択時の報酬が15~20%と高めに設定されていることが多く、着手金を払う場合よりも高額となるケースが多いようです。
申請する側としては不採択であれば費用が発生しない完全成功報酬の方がお得に思えそうですが、一概にそうとは言えないようです。
まとめ
ものづくり補助金の申請に要する専門家費用は、着手金で5~7万円、成功報酬として採択額の10%程度が目安となります。この水準の専門家費用はものづくり補助金に限定せず、ほかの補助金申請業務に関しても、ほぼ同程度の金額になりそうです。
費用について悩みをお持ちの方は、まずは実際の費用を相場観と照らし合わせながら比較し、最終的にトータルでいくらかかるのか総額を確認してみましょう。