2021/11/8

2022/09/21

ものづくり補助金の申請代行は成功報酬?費用体系や相場について解説

この記事の監修

NS&パートナーズ会計事務所代表税理士 鈴木良洋税理士/宅地建物取引士/経営革新等支援機関(財務局・経済産業局認定)

東京都中央区八重洲にてNS&パートナーズ会計事務所を開業。
創業・独立の支援、税務・会計・決算に関する業務、税務申告書への書面添付、
自計化システム導入支援などに従事。

 

ものづくり補助金とは、中小企業が経営革新のための設備投資等に使える、補助上限額750万~3,000万円まで支援してくれる制度です。非常に人気の高いものづくり補助金ですが、その難易度を考慮して専門家に申請の代行を依頼する方、また依頼を検討している方が多いのではないでしょうか?しかし、いざ申請を依頼する際に気になるのが、申請にかかる費用です。

今回はそんなものづくり補助金の申請代行にかかる専門家報酬についてみていきます。

 

ものづくり補助金の申請代行を依頼するメリット・デメリット

 

 申請代行のメリット①:申請にかかる時間や労力を最小限にできる

事業計画書の作成にはプロでも1週間ほどの時間を要します。おそらく、事業計画書の作成に慣れない方がチャレンジする場合、数カ月時間がかかってしまう可能性があります。これはあくまで、事業計画書のみの作成時間であり、申請書などは他にも準備が必要になりますので、さらに多くの時間がかかります。

専門家に依頼することで、事業計画書の作成や必要書類を用意する時間を削減でき、空いた時間を本業に注力することができます。 

 

申請代行のメリット②:採択率が上がる 

補助金を受け取るには審査を通過し、採択される必要があります。その採択を決める審査において、最大の決め手は事業計画書の出来になります。

ものづくり補助金の公式ホームページに公表されている「支援者の関与グラフ」をみると、「支援なし」よりも「支援あり」のほうが、採択率(赤線)が高いことが見てわかります。

ものづくり補助金の多くの申請サポートを受けているプロであれば、審査のポイントを押さえた質の高い事業計画書を作ることができるため、採択率が上がる傾向にあります。

出典:ものづくり補助金総合サイト

 

 申請代行のメリット③:経営相談やビジネスモデルのアドバイスを受けられる

事業計画書の作成にあたり、専門家に自社の事業計画を伝えたり、まとめたりすることによって、経営課題や今後のビジョンが見えやすくなります。そのため専門家からビジネスモデルについてアドバイスを受ける絶好の機会となります。ものづくり補助金の申請だけではなく、自社の将来の事業の成長・成功にとって非常にプラスになります。

 


 

申請代行のデメリット①:費用がかかる

専門家に申請代行を依頼した場合は、当然ですが費用がかかります。補助金の申請業務は、プロであったとしても、簡単にできる作業ではありません。補助金の申請にかかる時間と手間の対価として、ある程度金額を設定しています。

一方で、完全成功報酬と呼ばれる支払い方法もあります。着手金はかからないが、採択された場合にのみ支払いが発生するというものです。 

 

申請代行のデメリット②:依頼しても不採択の可能性がある

ものづくり補助金は、補助金の予算枠が決められているため、申請をすれば100%採択されるというものではありません。

近年の採択率は5~6割程度とされており、申請をした企業の半数は不採択となっています。以前よりも採択率は高い傾向にありますが、いまだ狭き門となっているのが現状です。ただし、専門家でも採択率100%ではないものの、自分で申請するよりは採択率は高くなります。採択率を高めたいのであれば、自分で申請するより専門家へ申請代行を依頼する方が確実です。

 

ものづくり補助金の申請代行の費用相場

依頼する際に、気になるのが費用に関することですが、ものづくり補助金の料金体系は、一般的に以下の内容から構成されているケースが多いです。

  • 着手金・・・補助金の受給可否に関わらず、発生する費用
  • 成功報酬・・補助金が受給できた場合にのみ発生する費用

料金は、補助金の種類によって前後しますが、ものづくり補助金の費用相場は以下の通りです。

【費用相場】

業務内容 金額相場 備考
初回面談 無料
着手金

①「ものづくり補助金」 

  申請関連資料の提供 

②申請書の作成支援

10万円~30万円 不採択の場合、この費用の負担だけとなります。

※次回公募に再申請する際は、追加請求はなし

成功報酬

①交付申請支援

  ②補助事業期間における進捗フォロー 

③実績報告書作成支援

補助金額の

10%~20%

採択の場合の追加費用
事業化状況報告支援

(5年間)

年18万円

(月間1.5万円)

事業実施期間及び事業化期間の支援費用

 

費用をイメージするため、具体例を相場金額で計算してみましょう。

例)採択額500万円、着手金10万円、成功報酬は採択額の10%の場合

10万円+50万円(=500万円×10%)=60万円 となります。

この場合に上記概算額よりはるかに高い金額を要求されるようであれば考え直すか、ほかの方にも相談してみることをお勧めします。

 

また、依頼する業務内容によってオプション費用が発生する可能性があります。例えば、採択を有利にするための制度を取得する場合など、別途費用がかかることが多いので確認は必要です。

実際に依頼する際には相場観を常に念頭に置いておくことをおすすめします。

 

完全成功報酬(着手金等なし)のメリット・デメリット

 

もちろん、専門家によって料金体系は異なります。

申請代行によるデメリットでもお伝えしましたが、着手金や事業計画作成費用を受け取らず、「完全成功報酬」とする専門家も存在します。着手金はかかりませんが採択された場合のみ、高めの割合の成功報酬を支払うという方法です。補助金は100%採択されるとは限りませんので、依頼側からすれば、出来る限り着手金は払いたくないというのが本音だと思います。

ですが、完全成功報酬の場合、着手金が発生しないメリットがある一方、採択時の報酬が高めに設定しているところが多いです。

なので、一概に完全成功報酬がお得とは言えません。 

 

専門家選びの3つポイント

申請代行を依頼をするのであれば、採択される可能性が高い専門家を選ばなくてはなりません。そのためには、その専門家の実績や実力を見極める必要があります。見極めるポイント3つを見ていきましょう。

point1.サポート実績

補助金の申請代行先は、過去の採択実績が多い専門家を選ぶと良いです。実績については、依頼を検討している専門家に直接問い合わせしてみてください。

しかし、中には架空の実績を掲載している業者もあります。そのため実績を確認する際は、過去の採択案件など細かく質問してみると良いでしょう。

 

point2.保有資格

ものづくり補助金は、申請代行を行うための資格は特にありません。その為、無資格でも支援することができます。しかし、それをいいことに、悪質な業者が混じっている場合があります。悪質な業者に依頼をしてしまえば、質の低い申請書類や、高額な報酬を請求されてしまうかもしれません。

よって、税理士、中小企業診断士、行政書士、公認会計士などの国家資格者であれば、基本的な知識を持ち合わせているので、一定水準以上の安心感があり、採択率もあがります。

また、これらの国家資格者は認定支援機関として指定されていることも多く、補助金によっては、認定支援機関と事業計画書の策定をすることを条件としている事もあります。

▸認定支援機関についてはこちら

 

point3.対応力・人柄

ものづくり補助金の申請書類の作成を依頼するにあたっては、専門家と何度も面談や打ち合わせをすることは少なくありません。さらに、補助金申請後においても、事業の相談等で、長い付き合いになる可能性もあります。

そのため、質問や相談にも丁寧に応えてくれたり、途中報告や完了報告もしっかりしている専門家を選んだ方が、信頼でき、安心して任せる事ができます。

 

まとめ

いかがでしたか?ものづくり補助金の申請に要する専門家費用は、着手金で10万円~15万円、成功報酬として採択額の10%前後が目安となります。この水準の専門家費用はものづくり補助金に限定せず、ほかの補助金申請業務に関しても、ほぼ同程度の金額です。

ご自身で、ものづくり補助金の申請をするのが難しそうであれば、申請代行を利用するのも選択肢のひとつです。とはいえ、補助金の申請代行の依頼は、メリットもあればデメリットもありますので、専門家選びは慎重にご判断されることをおすすめいたします。

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