2021/12/27
2023/12/22
サービス業のものづくり補助金について解説
ものづくり補助金は、中小企業者等が行う革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援することを目的としており、業種の制限がほぼなく、幅広い事業者が申請可能な補助金です。
ここではサービス業の方がものづくり補助金を活用する際の注意点やポイントを解説していきます。
目次
ものづくり補助金はサービス業も申請可能
ものづくり補助金の対象となる条件は下記の3つです。
条件を満たせばものづくり補助金を申請することができます。
その1:既に創業している事業者であること
既に創業している会社であることが大前提となります。
そのため法人であれば設立済みであり、個人であれば事業を開始していることが条件となります。
加えて、会社組織だけでなく工場や店舗をすでに保有していなければなりません。(賃貸でも可能)
その2:資本金又は従業員数が基準内であること(中小企業要件)
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者向けの補助金となりますので、資本金や従業員が規定値以下でなければなりません。
ものづくり補助金の対象となる規定値は以下となります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、
ソフトウェア業または情報処理サービス業その他 |
3億円以下 | 300人以下 |
ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
旅館業 | 5000万円以下 | 200人以下 |
その他サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
◎ここでポイントとなるのが、資本金や従業員数の双方でなく、いずれか満たせばいい点です。
つまりサービス業の方の場合、資本金が5,000万円以下もしくは従業員数が100人以下であれば対象となります。
その3:賃金引上げ計画を社員に対してアナウンスしている
賃上げ計画は下記の3つの要件を満たす必要があります。
- 3~5年の事業計画終了までに、給与支給総額を年率1.5%以上増加させる
- 3~5年の事業計画終了までに、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準にする
- 3~5年の事業計画終了までに、付加価値額を年率平均3.0%増加させる
パートやアルバイトで雇用している方は自給、正社員(固定給など)であれば時間あたりの給与で判断します。
ものづくり補助金に申請する際の注意点
補助対象とならない経費に注意
前提として交付決定前に購入したものについてはすべて対象外となります。
また補助事業以外にも使用が可能なパソコン・スマホや補助事業に関係ない経費に関しては対象外となるように、様々なジャンルにおいて補助対象と補助対象外品目が細かく設定されています。
サービス業の場合、店舗の敷金や礼金、賃料、内装工事なども補助してもらいたいと考えてしまいがちですが、残念ながら対象外です。
GビズIDを取得しておく
ものづくり補助金は電子申請のみとなっています。
GビズIDを取得するためには書類を提出する必要があるので、最短でも2週間程度は見ておいたほうがいいでしょう。
ものづくり補助金の申請を検討しているのであれば、申請期限から逆算したうえで、時間に余裕をもって早めに動いたほうがいいでしょう。
サービス業がものづくり補助金に申請する際のポイント
申請条件に合致しているかを確認する
ものづくり補助金に申請するためには様々な要件が定められており、それぞれを満たすことを確認しておかなければなりません。せっかく申請しても、条件に合っていないと審査の土台に乗ることもできません。
ものづくり補助金に精通した専門家を活用
ものづくり補助金の審査でもっとも重要視されるのは「革新性」です。
革新性とは、目新しさや新規性といったもので、同業他社において広く普及していない取り組みであることが求められます。
そのため、どのような点が業界内で革新性があり、どこが同業他社と差別化しているのかはしっかりと説明する必要があります。
サービス業で利益を増やしていくための施策
ものづくり補助金では事業計画の内容をもとに審査されます。
そのため、客観的に見て成功すると予想できる事業計画は採択されやすく、実現可能性が低いと思われる事業計画は採択されにくくなります。
こういった判断基準の一つになるのが販路開拓の施策です。
開発した新サービスや新役務も、どのように利用者に購入してもらうのかといった施策を考えておくことが大切です。
まとめ
ものづくり補助金をその名称から製造業向けの補助金だと思っている方も多いようですが、サービス業や小売業など様々な業種を対象にした補助金です。
補助上限額も高額であるため、何らかの新たな取り組みを導入したいと検討している事業者の方にとっては、業種関係なく更なる業績向上のチャンスにつながるでしょう。