2022/3/2
2023/04/04
ものづくり補助金14次の変更点を解説!
企業の生産性向上を支援するものづくり補助金は、現在、第14次公募が行われています。
ものづくり補助金は、最大4,000万円が補助される国の制度です。
【ものづくり】という言葉から、製造業しか使えないと思われがちですが、業種による制限はほとんどありません。
当記事では、まだ間に合う!ものづくり補助金の14次締切回の変更点を解説していきます。
目次
ものづくり補助金14次締切回の概要
ものづくり補助金とは、正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。
新サービスや試作品の開発、生産性向上のための設備導入などにかかる費用の一部を支援してくれる制度です。
対象者は、中小企業、小規模事業者、個人事業主です。
ものづくり補助金14次公募回の申請枠・補助上限額・補助率は以下の通りです。
赤文字箇所が、14次からの変更点です。
出典:中小企業庁/ものづくり・商業・サービス補助金令和4年度2次補正予算関連
ものづくり補助金の14次締切回の変更点
ものづくり補助金14次公募の主な変更点は主に下記の5つです。
- 大幅賃上げで補助上限額の引き上げ
- グリーン枠が3類型に拡充
- 海外展開支援の強化
- 認定機器・システム導入型の新設
- ビジネスモデル構築型の廃止、今後のスケジュール
ものづくり補助金変更点その1:大幅賃上げによる補助上限額の引き上げ
大幅賃上げによる補助上限額の引き上げについては、下記の通りです。
●「成長と分配の好循環」を一層強力に推し進めるため、大幅な賃上げに取り組む事業者については、 従業員数に応じて補助上限を100万円、250万円、1,000万円引き上げる(ただし、回復型賃 上げ・雇用拡大枠での活用は不可)。
●事業計画において、補助事業期間終了後3~5年で「①給与支給総額年平均6%増加かつ ②事業場内最低賃金を年額45円以上引上げ」を満たし、賃上げに係る計画書を提出することを要件とする。
●要件未達の場合には、上乗せ分については、全額返還を求める。
例えば、大幅賃上げの要件を満たした場合、補助上限額が下記の金額となります。
【通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠の場合】
従業員数 | 通常の補助上限額 | 引き上げ金額 | 補助上限額 |
5人以下 | 750万円 | +100万円 | 850万円 |
6~20人 | 1,000万円 | +250万円 | 1,250万円 |
21人以上 | 1,250万円 | +1,000万円 | 2,250万円 |
補助上限額が最大1,000万円引き上げられ、さらにメリットが大きくなりました。
ものづくり補助金変更点その2:グリーン枠が3類型に拡充
今回の14次締切回から、グリーン枠は「エントリー」「スタンダード」「アドバンス」の3つの類型に分けられました。詳細は下記の通りです。
●令和3年度補正予算からグリーン枠を創設し、温室効果ガスの排出削減等を目的とした設 備・システム投資等を行う事業者を支援している。
●温室効果ガスの排出削減に資する取り組みの段階に応じ、3段階の補助上限額を設定する。
●また、親取引企業からの要請を受けて取り組みを行う事業者には審査の際に加点を行う。

出典:中小企業庁/ものづくり・商業・サービス補助金令和4年度2次補正予算関連
「エントリー」は簡単な取り組みも対象として申請しやすくなり、「アドバンス」は補助上限額最大4,000万円まで支援されるなど、それぞれの事業者に合った申請が可能となりました。
温室効果ガスの排出削減に資する取り組みは以下の通りです。
温室効果ガス削減の取り組み |
|
① | エネルギーの使用量及びCO2排出量の把握 |
電気、燃料の使用量の用途別の把握 | |
② | 自社及び業界・産業全体での温室効果ガス削減に貢献す る開発に取り組む
製品・サービスへの取り組み |
再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択 | |
再生可能エネルギーの自社発電の導入 | |
グリーン電力証書の購入実績 | |
J-クレジット制度の活用実績 | |
③ | SBT若しくはRE100への参加 |
省エネ法の定期報告の評価において『Sクラス』に該当 若しくは、
省エネルギー診断を受診 |
①のいずれかひとつを満たす→「エントリー」に該当
①をすべて満たし、②のいずれかを満たす→「スタンダード」に該当
①をすべて満たし、②のいずれか2つ以上、③のいずれかひとつを満たす→「アドバンス」に該当
また、親取引企業からの要請を受けて取り組みを行う事業者には審査の際に、加点されます。
ものづくり補助金変更点その3:海外展開支援の強化
従来の「グローバル展開型」が「グローバル市場開拓枠」になり、支援内容が拡充されました。詳細は下記の通りです。
●令和元年度補正予算からグローバル展開型を創設し、海外事業の拡大・強化等を目的とした設備・システム投資等を行う事業者を支援している。
●「新規輸出中小企業1万者支援プログラム」の一環として、ものづくり・商業・サービス補助金においても、グローバル展開型をグローバル市場開拓枠に改め、支援内容を拡充する。
●具体的には、補助下限額を1,000万円から100万円に引き下げ、使い勝手を向上。ま た、一部の類型で、ブランディングやプロモーション等に要する費用を補助対象経費に追加。
出典:中小企業庁/ものづくり・商業・サービス補助金令和4年度2次補正予算関連
補助下限額が、100万円に引き下げられたことで、小規模事業者や個人事業主でも取り組みやすくなりました。
また、海外市場開拓類型のみ、広告宣伝費が補助対象経費に加わりました。
ものづくり補助金変更点その4:認定機器・システム導入型の新設
認定機器・システム導入型の新設も行われる予定ですが、こちらに関しては2024年度が実施される予定となっています。詳細は下記の通りです。
●業種・業態に共通する生産性向上に係る課題を解決するため、課題を認定し、当該 課題解決に資する機械装置・システムを認定する仕組みを創設。
●なお、事務局に設置する委員会において課題を認定し、解決のための研究開発を実施するため、次年度以降の予算から新設する予定。

出典:中小企業庁/ものづくり・商業・サービス補助金令和4年度2次補正予算関連
ものづくり補助金変更点その5:その他の変更点等
🔳ビジネスモデル構築型の廃止
中小企業の革新的な事業計画策定を支援する「ビジネスモデル構築型」は、来年度以降廃止されます。
🔳今後のスケジュール
令和4年度~令和6年度において、ものづくり補助金は継続して実施される予定となりました。

出典:中小企業庁/ものづくり・商業・サービス補助金令和4年度2次補正予算関連
ものづくり補助金の14次公募スケジュール
ものづくり補助金14次公募会のスケジュールは以下の通りです。
公募開始:令和5年1月11日(水) 17時~
申請受付:令和5年3月24日(金) 17時~
応募締切:令和5年4月19日(水) 17時
採択結果:令和5年6月中旬頃
ものづくり補助金14次締切回の変更点まとめ
以上、ものづくり補助金14次締切回の変更点を解説させていただきました。
- 大幅に賃上げをする事業者へ補助上限額の引き上げ
- グリーン枠が3類型に拡充され、それぞれの事業者に合った申請が可能
- 海外展開支援の強化で、、小規模事業者や個人事業主でも取り組みやすくなった
- 2024年度から認定機器・システム導入型の新設される
- ビジネスモデル構築型の廃止
- ものづくり補助金は、今後も継続して実施される予定
ものづくり補助金は、公募回ごとに要件等が変更されることがあります。申請を検討している事業者の方は、必ず【ものづくり補助金総合サイト】で最新版の公募要領を確認するようにしましょう。
NS&パートナーズ会計事務所では、補助金の相談から申請サポートも行っております。ぜひ、お気軽にお問合せください。