2022/11/25

2022/11/25

事業再構築補助金の採択率は?難しい?

この記事の監修

NS&パートナーズ会計事務所代表税理士 鈴木良洋税理士/宅地建物取引士/経営革新等支援機関(財務局・経済産業局認定)

東京都中央区八重洲にてNS&パートナーズ会計事務所を開業。
創業・独立の支援、税務・会計・決算に関する業務、税務申告書への書面添付、
自計化システム導入支援などに従事。

 

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、企業の思い切った事業再構築を支援するための補助金です。補助額も最大1億円であることから、超大型補助金ともいわれています。

事業再構築補助金は返済する必要のないお金ですので、採択されれば、補助金がなければチャレンジできない事業にも挑戦でき、会社の成長につなげることが可能になります。

 

そんな大きなメリットをもたらす「事業再構築補助金」ですが、採択されることは難しいのでしょうか。

結論から言ってしまえば、“難しい“です。

ただ、こんなにも手厚い補助を受けられるチャンスを逃すのは勿体ないですし、しっかりとポイントを押さえれば採択率を上げることができます。

そこで当記事では、事業再構築補助金の採択率や、採択率をあげるためのポイントをご紹介していきます。

 

 

事業再構築補助金の採択率は?

 

まずは第6回公募の結果についてみてみましょう。

第6回公募の応募件数は15,340件、採択件数7,669件でした。

出典:事業再構築補助金公式HP

 

業種別の応募割合と採択割合

業種別に、応募割合と採択割合を分析すると、とくに「製造業」「卸売」「小売業」「宿泊業」「飲食サービス業」が多くなっています。また、その他の業種についても幅広い業種で応募・採択されています。

 

出典:事業再構築補助金公式HP

 

今までの応募件数、採択件数、採択率

続いて、第1回から第6回までの応募件数、採択件数、採択率は以下のとおりです。

 

公募回 応募件数 採択件数 採択率
第1回 22,231件 8,016件 36.0%
第2回 20,800件 9,336件 44.8%
第3回 20,307件 9,021件 44.4%
第4回 19,637件 8,810件 44.7%
第5回 21,035件 9,707件 46.1%
第6回 15,340件 7,669件 50.0%

 

第6回公募では、今までの事業再構築補助金の応募件数の中では、一番少ない応募件数となりました。それにより、第1回から若干低めでスタートした採択率は、第6回公募で50.0%と採択率は過去最高となりました。

 

 

事業再構築補助金の採択されるためのポイント

 

誰が見てもわかる事業計画書

審査員は多くの事業計画書に目を通すため、審査時間が限られています。また、すべての業界や業種について細かく知識を持っているわけではありません。業界でのみ使われている専門用語を補足説明なしで、ずらずらと書かれていても、理解できない可能性が非常に高いです。

事業計画書を書く際は、内容根拠を示すデータや表を用意し、専門用語はなるべく使わず、誰が見てもわかりやすい事業計画書を作成するよう心掛けましょう。

 

 

実現性の高い事業計画を作成する

事業を実行できる技術やノウハウなどの記載が無く、審査員から資金面や事業面で実現性が貧しいと判断された場合、採択の可能性は格段に低くなります。

事業計画書を策定する際は、市場性や動向なども踏まえ、売上や収益の根拠を具体的に示しましょう。

対象業種の市場規模や動向を知るためにも、統計資料等の客観的な市場データを活用することで、事業計画に説得力が生まれます。

 

 

加点項目を増やす

加点項目とは、要件を満たしている事業者が申請すると「加点される」項目のことです。

事業再構築補助金は、事業計画書だけではなく、加点項目の点数も採択の可否に大きな影響を与えます。基本の審査項目とは違い、必須ではありませんが、できるだけ多くの「加点項目」を実施することで、採択される可能性が高まります。

できるだけ早いタイミングでチェックし、より多くの加点を取れるよう準備しましょう。

 

 

事業再構築補助金の加点項目とは?

 

事業再構築補助金の具体的な加点項目についてご説明していきます。

第8回公募要領に記載されている加点項目は8つあります。

事業再構築補助金 第8回 公募要領

 

加点項目①:大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点

 

一つ目の加点項目は、「2021 年 10 月以降のいずれかの月の売上高が対 2020 年又は 2019 年同月比で 30%以上減少していること」が基準です。

また、売上高ではなく、付加価値額を用いることも可能です。付加価値額を使って加点を申請する際は、「2021 年 10 月以降のいずれかの月の付加価値額が、2020 年又は 2019 年同月比で45%以上減少していること」が必要になります。

 

 

加点項目②:最低賃金枠申請事業者に対する加点

 

この加点では、最低賃金枠の要件を満たし、申請するだけで加点対象となります。

最低賃金枠の要件は、以下のとおりです。

「2020年10月から2021年6月までの間で、3ヶ月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること」が基準となります。

 

 

加点項目③:経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点

 

EBPMとは、「英:Evidence Based Policy Making、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング」の略です。

内閣府では、EBPMについて次のように定義しています。

EBPMとは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすることです。

 

要は、政策をその場限りのエピソードで立案するのではなく、合理的根拠(エビデンス)に基づいた情報提供に協力すれば加点されますよ、ということです。

「EBPMへの協力」をする場合、事業者はなにをすればいいのかというと、事業再構築補助金の電子申請をする際に、加点項目一覧の「EBPMの取組に対する協力をする」という欄にチェックマークを付ければいいだけです。特に、何かの書類を提出する必要はありません。

 

ただし、EBPMへの協力にチェックマークを入れると、以下の2点に同意することになります。

  • 事業再構築補助金に採択されなくても、数年間にわたりミラサポplusにログインして財務情報を入力する
  • そのデータを経済産業省が閲覧することを了承する

 

 

加点項目④:パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点

 

パートナーシップ構築宣言とは、大企業と中小企業が連携することで、より効率よく国内全体の経済を活性化させる意図で、中小企業庁により企画されています。

 大規模賃金引上枠または、グリーン成長枠に応募する事業者が「パートナーシップ構築宣言」を行った際に、加点として申請できます。

 

 

加点項目⑤:事業再生を行う事業者に対する加点

 

「事業再生」とは、2022年4月に経済産業省が発足した「中小企業活性化協議会」を通じ、中小企業者が借金を減らし、収益をあげる骨太体質へと生まれ変わるための一連の活動です。

中小企業活性化協議会から、すでに支援を受けている、または独立行政法人中小企業基盤整備機構などが策定した再生計画に基づき事業を行う事業者は、事業再構築補助金での審査で加点となります。

 

【加点対象となる再生計画の例】

  1. 中小企業活性化協議会が策定を支援した再生計画 
  2. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が策定を支援した再生計画 
  3. 産業復興相談センターが策定を支援した再生計画 
  4. 株式会社整理回収機構が策定を支援した再生計画 
  5. 「私的整理に関するガイドライン」に基づいて策定した再建計画
  6. 中小企業の事業再生等のための私的整理手続(中小企業版私的整理手続)に基づいて策定した再生計画
  7. 産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けた認証紛争解決事業者(事業再生ADR事業者)が策定を支援した事業再生計画 
  8. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資した中小企業再生ファンドが策定を支援した再生計画 
  9. 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が同機構法第 19 条の規定による支援決定を行った事業再生計画 
  10. 株式会社地域経済活性化支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構法第 25 条の規定による再生支援決定を行った事業再生計画 
  11. 特定調停法に基づく調停における調書(同法第 17 条第1項の調停条項によるものを除く。)又は同法第 20 条に規定する決定において特定された再生計画

 

また、1.から7.における「策定中」の定義は以下のとおり。
1.から3.「再生計画策定支援(第二次対応)決定」以後
4.企業再生検討委員会による「再生計画着手承認」以後
5. 同ガイドラインに基づく「一時停止の要請」以後
6.同手続きに基づく「一時停止の要請」以後
7.事業再生 ADR 制度の「制度利用申請正式受理」以後 

 

参照:事業再構築補助金 第8回 公募要領

 

 

加点項目⑥:特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点

 

従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であり、資本金が10億円以下であれば加点対象となります。

参照:事業再構築補助金 第8回 公募要領

 

また、要件を満たす組合も、例外として申請することができます。

具体的な組合は、以下のとおりです。

  • 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
  • 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
  • 内航海運組合、内航海運組合連合会
  • 技術研究組合

 

 

加点項目⑦:サプライチェーン加点

 

「サプライチェーン」とは、ある商品・製品を開発し、原材料を調達し、生産して消費者に届けるまでの一連の流れのことです。

サプライチェーン加点とは、異なるサプライチェーンをもつ事業者が連携し、1年以上の取引関係を経て連携して申請する場合に、加点となる仕組みです。サプライチェーン加点に応募する事業者は、電子申請時の加点で「サプライチェーン」にチェックを付けます。提出書類として、以下の内容がわかる決算書や売上台帳を添付します。

  • 直近 1 年間の連携体の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類

 また、サプライチェーンとして連携体に含まれる全ての事業者が、実際に取引関係があることが必要になります。

 

 

加点項目⑧:足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けている事業者に対する加点

 

ロシアへの禁輸制裁の影響など、「足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により、2022 年 1 月以降のいずれかの月の売上高(又は付加価値額)が、2019 年~2021 年同月と比較して10%(付加価値額の場合 15%)以上減少している場合」が加点対象となります。

加点に応募する場合は、根拠となる資料を追加で添付します。具体的には、足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けていることの宣誓書を添付します。

 

 

まとめ

 

以上、事業再構築補助金の採択率と、採択率を上げるためのポイントをご紹介させていただきました。事業再構築補助金の難易度は高く、簡単に採択されるものではありません。そのため、採択されるためには、しっかりと情報収集したうえで書類を準備する必要があります。もし、自社で準備することが難しい場合には、補助金の申請サポートを活用されることをおすすめします。依頼するための費用はかかりますが、格段に採択率を上げることができますので、検討してみると良いと思います。

 

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