2022/9/22
2023/11/10
経営力向上計画とは?認定を受けるメリットやデメリットを解説
経営力向上計画とは、中小企業の経営力向上を目的として、平成28年7月にスタートした国の制度です。
非常に人気の高い経営力向上計画ですが、その理由はなんといっても「即時償却」または「税額控除」を受けられることです。
当記事では、経営力向上計画のメリットや、中小企業経営強化税制について詳しく解説していきます。
目次
経営力向上計画とは、中小企業の経営のパスポート
経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するための計画です。
その計画が認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。
経営力向上計画を持っていることで、国や金融機関等が中小企業や個人事業主を後押ししてくれ、様々なメリットを受けることができます。
認定を受けている企業の数
認定企業数162,649社 ※令和5年9月末時点
国としては経営力向上計画の促進を力いっぱい進めていますが、現在の認定企業数は中小企業全体の約4%と、まだまだ認知度が低いのが現状です。
経営力向上計画の申請対象者
経営力向上計画の認定を受けられる対象者は下記のとおりです。
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従業員数 | 2,000人以下 |
※このほか企業組合、協業組合、事業協同組合等についても経営力向上計画の認定を受けることができます。
経営力向上計画の認定を受けた場合のメリット
経営力向上計画は主に3つのメリットがあります。
メリット1:税制優遇措置が受けられる(中小企業経営強化税制)
青色申告書を提出する中小企業者等が、令和7年3月31日までの間に認定された経営力向上計画に基づき取得した一定の新規設備において、即時償却または税額控除を受けることが可能です。
それにより、法人税(または所得税)の納付額を抑えることができます。
・即時償却
設備投資を行った初年度に「すべて」経費として計上することができます。
・税額控除
取得価額の10%相当額の税額控除を受けることができます。(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)
どちらがご自身にとってメリットが大きいか気になる方は、税理士にご相談ください。
メリット2:金融支援が受けられる
経営力向上計画の認定を受けた事業者は、日本政策金融公庫や、民間金融機関の融資に対する通常とは別枠での信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援などを受けることができます。
さまざまな種類の支援がありますが、その中で代表的なものは、日本政策金融公庫による低利融資です。
経営力向上計画の認定を受けることで、政策公庫が掲げる基準金利から0.9%引き下げの条件で借入を行うことができます。
メリット3:法的支援が受けられる
経営力向上計画の法的支援は、以下の3つの特例があり、主に事業承継等を行う際に利用できます。
1.業法上の許認可承継の特例
以下の7つの許認可事業は、事業継承の際に当該許認可に係る地位をそのまま引き継ぐことができます。
①旅館業、②建設業、③火薬類製造業、④火薬類販売業、⑤一般旅客自動車運送業、⑥一般貨物自動車運送業、⑦一般ガス導管業
2.組合発起人数の特例
企業組合又は協業組合を設立する場合は、通常発起人が最低でも4人以上必要ですが、特例により最低3人から組合を組成できます。
3.事業譲渡時の免責的責務引受
事業譲渡の際より簡略な手続きにより債務を移転することができます。
経営力向上計画のデメリット
経営力向上計画のデメリットは、申請書類の作成や手続きに手間と時間がかかることです。
メリットが多い経営力向上計画ですが、本業をこなしながらの資料の作成や、申請手続きは簡単ではありませんし、活用できないと意味がありません。
制度の内容など、自社の事業に必要かどうか調べたうえで申請をしましょう。
【まとめ】経営力向上計画とは?
まとめ
経営力向上計画の認定を受けると以下のメリットを受けることができます。
- 税制優遇措置(中小企業経営強化税制)
- 金融支援
- 法的支援
しかしデメリットもありますので、制度の内容など把握したうえで申請をするかを検討していきましょう。
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