2023/3/3

2024/01/22

建設業が活用できる事業再構築補助金の採択事例を紹介!

この記事の監修

NS&パートナーズ会計事務所代表税理士 鈴木良洋税理士/宅地建物取引士/経営革新等支援機関(財務局・経済産業局認定)

東京都中央区八重洲にてNS&パートナーズ会計事務所を開業。
創業・独立の支援、税務・会計・決算に関する業務、税務申告書への書面添付、
自計化システム導入支援などに従事。

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている事業者の中には、建設業の方も多くいらっしゃるかと思います。

受注数の減少、作業従事者の減少、予算の削減など様々な問題を抱えながらも、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援してくれる補助金制度があります。

それが「事業再構築補助金」です。

当記事では、建設業が活用する事業再構築補助金の採択事例や対象経費などを解説していきます。

 

建設業は事業再構築補助金の対象です!

 

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの影響や社会経済の変化によって売上が一定以上減少してしまった事業者の「事業再構築」するために必要な経費を国が補助してくれる制度です。

中小企業者、小規模事業者、中堅企業者であれば対象となります。

 

【中小企業者】
資本金の額又は出資の総額 常時使用する従業員の数
3億円以下 300人以下

※中小企業の規模感でありながら、大企業の傘下にあるみなし大企業は対象外です。

 

【中堅企業者】
資本金の額又は出資の総額 常時使用する従業員の数
10億円以下 2,000人以下

 

【個人事業主】

個人事業主は資本金がないため、従業員数が基準以下であれば対象となります。

 

建設業が活用できる事業再構築補助金の対象経費

 

建設業が活用できる事業再構築補助金の対象経費は以下の通りです。

<補助対象経費>
  • 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、等)
  • 機械装置・システム構築費(設備や専用ソフトの購入やリース、等)
  • クラウドサービス利用費(クラウドサービスの利用に関する経費)
  • 運搬費(運搬料や郵送費用)
  • 技術導入費(事業を遂行するために必要な知的財産権導入に要する経費)
  • 外注費(製品開発に要する加工、設計等)
  • 専門家経費(事業を遂行するために依頼する専門家に支払う報酬や諸経費)
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
  • 研修費(教育訓練費、講座受講等)
  • 知的財産権等関連経費

 

<建設業の補助対象経費例>

国土交通省では、2016年より建設現場にICTを活用する取り組み、i-Construction(アイ・コンストラクション)」を進めています。

この「i-Construction」に繋がる設備投資を行う事業者も多く採択されています。

  • ドローン(UAV)による空中測量機
  • 地上レーザースキャナ(TLS)による3次元計測
  • MC(マシンコントロール)によるモータグレーダやアスファルトフィニッシャなど
  • MG(マシンガイダンス)によるブルドーザやバックホウなど

 

<補助対象外の経費の例>

事業再構築補助金は、以下の経費は対象外となります。

補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費 、フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費、等

 

建設業の事業再構築補助金!採択事例

 

事業再構築補助金公式ホームページでは、実際に採択された事例が掲載されています。その中の10選をご紹介していきます。

 

採択事例1.建設業のノウハウを活かし大型橋梁製造へ進出

事業計画名:技術を生かし国土強靭化で需要増の大型橋梁製造への新分野展開

事業計画の概要:コロナ感染と物価高騰で売上が減少。土木分野での鉄・ステンレス鋼材の加工技術の強みを生かして取引先から要望がある、『国土強靭化による需要増が見込まれる大型橋梁』の製造を行う新分野展開により、新たな収益源を確保します。

 

採択事例2.建設業の強みを活かし不動産売買仲介事業へ進出

事業計画名:建設業者としての強みを活かした不動産売買仲介事業

事業計画の概要:当社は新たに不動産売買の仲介事業に取り組む。本事業は当社の建設業を行っている既存事務所を一部改修し、不動産を扱うための店舗運営を行う。そのためには、現状の当社の設備では対応ができないため、建物の改修や従業員の研修、ホームページやシステムの導入等を要する。

 

採択事例3.ドローン事業進出による新規事業展開

事業計画名:建設・点検市場で効率化・生産性向上に寄与するドローン事業への参入による民間工事への新分野展開

事業計画の概要:ICT化の遅れや人材不足が建築分野の課題であるため、解決策として、本事業にてドローンを導入する。測量・点検を機械化することで、業務が効率化されることにより、ドローン点検業務など新規事業展開が可能となる。

 

採択事例4.塗装業から福祉業へ

事業計画名:塗装業から障害者支援のグループホーム運営事業に業種転換

事業計画の概要:新型コロナの影響を受けて既存事業の業績回復が不透明なため、効果的な事業再構築が急務である。そこで、社会福祉に貢献でき、市場の急成長が高く、国や行政も力を入れている障がい者グループホーム事業に参入する。

 

採択事例5.建設業×不要資材アプリの構築

事業計画名:建設現場の廃材ゼロ化!不要資材マッチングアプリ事業

事業計画の概要:本事業で構築するアプリにより、モノ不足での工期遅れ・廃材の処分費用といった建設事業者の共通課題を解決し、さらに建設事業者各社で取り組む環境配慮・カーボンニュートラルの推進に大きく貢献できる事業を行う。

 

採択事例6.カーボンニュートラル社会への貢献へ

事業計画名:グリーン建材を活かしたLCCM+ZEH新築住宅・リノベーションの事業展開

事業計画の概要:グリーン(リサイクル・リユースなど)建材の共同仕入ルートをサプライヤーと構築し、宿泊体験のZEHモデルハウスを設営する。『グリーン×ZEH』仕様の新築や中古リノベーション住宅の施工や蓄電池・V2Hの装備によってエネルギーを有効活用しカーボンニュートラル社会へ貢献する

 

採択事例7.高度な注文住宅の業態転換で技術伝承を図る

事業計画名:ウィズコロナの社会変化に対応した高度な注文住宅による業態転換

事業計画の概要:課題は加工技術の制約と技能伝承である。最新のパネルソーと専用の集塵機を導入することで加工技術の完全内製化と労働環境の整備を整備することで、家具付きの高断熱な家を提供しつつ技能伝承を図る取り組みである。

 

採択事例8.建設業×足場工事業進出

事業計画名:足場工事用資材・設備導入による住宅・商業施設の足場工事業進出

事業計画の概要:元請けとして足場工事を行えるようになることで、「総合建築会社」として、県内でも有数の建設企業に成長することを目指します。また、同業他社との提携や外国人人員の活用を加速させることで、地域建設業の活性化に貢献します。

 

採択事例9.建設業×レンタルスペース業

事業計画名:DIYもできる!「体験」「販売」「交流」できるレンタルスペースの運営

事業計画の概要:コロナにより住宅見学会やフェアの開催が出来ず、新規顧客の獲得が減り、業績も悪化している。そこで建設以外の事業を検討し、当社の木材に関する知識や地域との関係性を活かせるレンタルスペース業を行うこととした。

 

採択事例10.建設業×ワーケーション事業

事業計画名:森林に囲まれた古民家で癒されながら働けるワーケイション事業

事業計画の概要:古民家を改装しワークスペースにし、DIY型ログキャビンを宿泊施設として新設し、ワーケーション事業を新分野に展開する。この事業を行うことで、安定した経営基盤を築くだけでなく、限界集落の活性化に貢献する。

 

出典:事業再構築補助金公式ホームページ/採択結果

 

建設業が活用できる事業再構築補助金の申請要件

 

建設業が事業再構築補助金に応募申請する際の必須要件をご紹介します。

 

1.認定支援機関と事業計画を策定する

事業再構築に係る事業計画を認定支援機関と策定する必要があります。

補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関も参加して策定します。

 

2.付加価値額を向上させること

補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、

または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加の

達成を見込む事業計画を策定することが必要です。

 

 

まとめ

事業再構築補助金は幅広い業種が申請可能です。

とくに新型コロナウイルスや社会経済の変化で大きな打撃を受けている建設業の方にとって事業再構築補助金は大きなチャンスと言えます。

ぜひ、事業再構築補助金を活用して、新たな事業へ向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

NS&パートナーズ会計事務所では、補助金の相談から申請サポートも行っております。ぜひ、お気軽にお問合せください。

 

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