2021/12/20
2023/12/25
歯科医院のものづくり補助金について解説
歯科医院を経営されている方が設備投資などをしたいと考えたとき、
資金繰りの手段の一つとして挙げられるのがものづくり補助金です。
では、ものづくり補助金を活用したいと考えている場合どのような点に注意すべきなのか?
今回はものづくり補助金を歯科医院で活用する場合について解説していきます。
目次
個人事業(開業医)はものづくり補助金の対象となる
個人で開業されている(歯科医院、病院、一般診療所、助産所、看護業、療術業、歯科技工所など)はものづくり補助金の対象となり、申請が可能です。
ただし、医療法人として経営している歯科医院や病院などはものづくり補助金の対象にはなりません。
ものづくり補助金は、「中小企業・小規模事業者」を支援するための補助金であり、医療法の規定に基づき設立した医療法人は、目的とは合わず支援の枠組みが異なるためです。
歯科医院で、ものづくり補助金の活用を検討している場合は、法人なのか、それとも個人事業なのかが重要なポイントとなります。
注意!個人事業主の医療法人化は対象から外れてしまう
また、個人事業主として補助金が採択された後に医療法人化してしまうと、医療法人になった時点で補助対象から外れてしまいます。
その為、その時点での「補助金によって導入した設備の残存簿価×補助率」にあたる額を返却しなければなりませんので注意が必要です。
ものづくり補助金の対象経費
病院や診療所内に設置する医療機器や器具といった設備は補助金の対象となります。
また条件として、単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要です。
<補助対象経費>
- 機械装置費…機械装置や専用ソフトウェア等の制作、購入、借用
- 技術導入費…事業遂行のために必要な知的財産権等の導入
- 専門家経費…事業遂行のために招聘される専門家に支払われる謝礼や旅費
- 運搬費…運搬料や郵送費等
- クラウド利用費…クラウドコンピューティング利用
歯科医院におけるおすすめの設備投資
例えば、歯科医院における設備投資でものづくり補助金が受けられるのは、以下のようなものが考えられます。
- CT装置
- インビザライン用口腔内スキャナ
- セレックシステム
- 光学スキャナ
- CTスキャン
- パノラマレントゲン
- インプラントシステム
この中でも特によく申請される設備はCTやCAD/CAMです。
従来は総合病院に頼らざるを得なかったCTの撮影を歯科医院で行えるようにすることで患者様の接触機会削減に貢献しつつ地域医療の発展に貢献する取り組みなどを強みに、実際に今まで多くのケースが採択されています。
歯科医院がものづくり補助金の採択を受けるには?
最重要項目は革新性
歯科医院に限らずものづくり補助金申請を成功させるために最も重要となるのが、補助金を申請して実現する事業の革新性です。
CAD/CAMなどを導入する場合でも、単に効率化が図れるようになるだけの取り組みでは採択されることは難しいです。
医院や先生の強み(所属学会での知見や研究の実績など)と導入する設備の機能を組み合わせることで、
今まで地域の歯科医院では提供することが難しかった付加価値を提供できるようになるなど、
設備導入によってその事業者だからこそ生み出せる革新的な価値をアピールすることが必要になります。
採択不採択は事業計画書の内容次第でほとんど決まりますが、そのほかにも加点項目を取得することで、
採択される可能性は高まります。採択を確実にするためにはぜひ逃したくないポイントです。
関連記事▸ものづくり補助金の加点項目を解説
まとめ
日々お忙しく働かれている歯科医師の方々にとっては、補助金に興味があっても中々申請ができないという課題があると思います。補助金額は大きいものの、申請にはかなりの時間と手間がかかるため、プロのサポートを受けながら申請するのも合理的な方法です。
ぜひ、ものづくり補助金を活用して、新たな事業へ向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。