2023/2/17
2024/05/31
飲食店が事業再構築補助金を活用するための対象経費や採択事例を解説!
飲食店は、コロナウイルスの影響や社会経済の変化によって、最も深刻な打撃を受けている業界です。
そんな中、大きな打撃を受けながらも“思い切った“事業の取り組みを行うことを後押ししてくれる「事業再構築補助金」という制度があります。事業再構築補助金の対象業種は幅広く、飲食業も対象となります。
当記事では、飲食店が事業再構築補助金を活用する場合の対象経費や採択事例をご紹介していきます。
・補助金の申請をしたいけれど、手続きや対象になるのかわからない
・そもそも事業再構築補助金が受けられるか相談したい
・事業再構築補助金以外にも申請できる補助金があるか知りたい
そんなお悩みをお持ちの方は一度NS&パートナーズ会計事務所へご相談ください!
目次
事業再構築補助金の飲食店は応募・採択ともに多い
事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための、
中小企業等の思い切った事業再構築を支援してくれる補助金制度です。
補助金額は最大1.5憶円と、超大型補助金といわれています。
飲食店の場合、資本金5,000万円以下、従業員数100人以下の中小企業者や法人を設立していない個人事業主が申請が可能です。
事業再構築補助金公式ホームページでは、第10回公募の結果を掲載しています。
第10回の応募件数10,821件(宿泊業・飲食サービス業12.5%)、
採択件数5,205件(宿泊業・飲食サービス業11.0%)でした。
経済産業省は、宿泊業と飲食サービス業を合わせて掲載しているため、
飲食業の明確な割合は分かりませんが、全体を見ても飲食業の応募割合・採択割合は多いのがわかります。
飲食店が活用できる事業再構築補助金の申請要件
飲食店が事業再構築補助金に応募申請する際の必須要件をご紹介します。
1.認定支援機関と事業計画を策定する
事業再構築補助金では、事業計画書を認定経営革新等支援機関と共同で策定し、確認を受けることが必要です。
認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)のことです。
2.付加価値額を向上させること
事業再構築補助金では、以下のどちらかを満たす事業計画書を策定する必要があります。
- 補助事業終了後3~5年で、付加価値額を年率平均3.0%以上増加させる
- 従業員一人当たり付加価値額を、年率平均3.0%以上増加させる
※付加価値額とは、「営業利益」「人件費」「減価償却費」を足したものです。
・補助金の申請をしたいけれど、手続きや対象になるのかわからない
・そもそも事業再構築補助金が受けられるか相談したい
・事業再構築補助金以外にも申請できる補助金があるか知りたい
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飲食店の事業再構築補助金!過去の採択事例
事業再構築補助金の採択事例は、事業再構築補助金公式ホームページの「採択事例紹介」で
確認することが出来ます。採択された飲食業の事業計画をいくつかご紹介します。
採択事例1.株式会社中心屋
<新分野展開:飲食店経営から、高齢者配食事業へ参入>
事業再構築補助金活用のきっかけ
居酒屋や焼肉屋など3店舗の飲食店を経営している。コロナの影響を受けたことで、売上高は前年比50%に満たない実績となる。危機的状況の中、デリバリーやテイクアウトへのお客様の要望に対応することを検討していたが、設備が整わない中での業務負担等で、実施を留まっていた。しかし、事業再構築補助金を活用する事で、検討していた事業に取り組むことができるため決断に至った 補助事業内容
- フランチャイズに加盟し、高齢者向けのお弁当の配食サービスを開始、食材ロスの低減、献立ノウハウの外注化、経営の効率化、V字回復を図る
- 倉庫として賃貸しているスペースに、新たに高齢者配食事業用に厨房を設置する
採択事例2.株式会社ノースコーポレーション
<業態転換:レストランから飲食料品小売業へ>
事業再構築補助金活用のきっかけ
8店舗のイタリアンレストランを運営している。コロナ禍における緊急事態宣言や時短・会食自粛の影響で、売上7割減という店舗も現れる厳しい経営状態になった。そこで新たな収益減を確保して強い経営体質をつくると共に、地元産食材の販売機会を創出するために、テイクアウト・宅配形式による小売業態に進出することを決めた 補助事業内容
- 来店型のレストランを、地産地消セレクトショップに改装して、地元産食材のブランド商品を開発・販売する拠点とする
- 野菜をジェラートに加工するなど加工食品開発や総菜メニュー開発により、新たな需要の創出
- 非接触型オーダーアプリを開発、従業員の業務効率化と消費者に対する地元産食材の訴求やストーリーの発信を行うなど、ファンの獲得に取り組む
- 既存設備を撤去し、新たにセントラルキッチンを整備。販売用製品の加工と既存店舗のレストランの仕込みを一緒に行うことで、生産性の向上を図る
採択事例3.株式会社千成屋
<業種転換:市場の鮮魚店と連携した回転寿司事業へ進出>
事業再構築補助金活用のきっかけ
外国人観光客を中心に賑わう飲食店をテナントとする不動産賃貸業を行っている。コロナの影響でインバウンド客が激減し、売上が半減する事態。これを受けて、地元の人が利用する市場の原点に立ち返り、市場内の専門鮮魚店と連携して回転寿司事業に進出する決断をした 補助事業内容
- 空き状態になっているビルの1階を、高単価・高付加価値の回転寿司店に改装
- 市場内の老舗鮮魚店に仕入れ・加工・保管をしていただき、プロがさばく新鮮で高級なネタを提供する
飲食店が活用できる事業再構築補助金の対象経費
飲食業が活用できる事業再構築補助金の対象経費は以下の通りです。
<補助対象経費>
- 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、等)
- 機械装置・システム構築費(設備や専用ソフトの購入やリース、等)
- クラウドサービス利用費(クラウドサービスの利用に関する経費)
- 運搬費(運搬料や郵送費用)
- 技術導入費(事業を遂行するために必要な知的財産権導入に要する経費)
- 外注費(製品開発に要する加工、設計等)
- 専門家経費(事業を遂行するために依頼する専門家に支払う報酬や諸経費)
- 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
- 研修費(教育訓練費、講座受講等)
- 知的財産権等関連経費(特許権等の知的財産権等の取得に要する、弁理士の手続き代行費用、等)
<飲食店の補助対象経費活用事例>
- 店舗の改修
- 厨房設備の購入
- 従業員の研修費
- SNSやチラシの広告費
- EC販売を開始するためのシステム構築費
- ITツール導入(セルフオーダーシステム、在庫・会計管理システムの導入等)
≪補助対象外≫
従業員の人件費、株式、汎用品(パソコン・家具等)、フランチャイズ加盟料、販売する原材料費、消耗品、光熱水費、通信費等は補助対象外です。
まとめ
事業再構築補助金は幅広い業種が申請可能です。とくにコロナウイルスや社会経済の変化で大きな打撃を受けている飲食業の方にとって事業再構築補助金は大きなチャンスと言えます。
ぜひ、事業再構築補助金を活用して、新たな事業へ向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
NS&パートナーズ会計事務所では、補助金の相談から申請サポートまでトータルで行っております。お気軽にお問合せください。