2021/12/3
2023/01/19
飲食店のものづくり補助金について解説
ものづくり補助金とは
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後、複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
飲食業での課題
- 慢性的に料理人の確保や育成が難しい状況に陥っている。
- 仕入れ・発注業務の効率化
- レジや予約受付の効率化
- 新型コロナウィルス蔓延防止のため、外出自粛の影響により外食を控える人が増加してしまった。
- テイクアウトや通信販売等への対応など
ものづくり補助金の活用
現在、飲食業は上記のように様々な課題に直面していると思います。その課題を解決するにあたり導入を検討している機械設備やシステム等に、「ものづくり補助金」が活用できる可能性があります。「ものづくり補助金」は名称こそ「ものづくり」となっていますが、飲食業を経営する会社でも活用することができます。過去にも、実際に「ものづくり補助金」に採択された飲食店が数多くあります。
近年の採択率
ものづくり補助金の近年の採択率は50~60%と程度となっています。申請者のうち、約半数の事業者の方が採択されています。
締切回 | 応募者数 | 採択者数 | 採択率 |
7次 | 5,507 | 2,768 | 50.3% |
8次 | 4,653 | 2,780 | 59.7% |
9次 | 3,613 | 2,247 | 62.2% |
10次 | 4,294 | 2,612 | 60.8% |
11次 | 4,668 | 2,786 | 59.7% |
12次 | 3,256 | 1,907 | 58.6% |
ものづくり補助金に採択されるためには
「ものづくり補助金」に採択される事業計画を立案するにあたっては、まずこれまでに採択された事案を参考にしてみましょう。過去にどのような事業計画が採択されてきたのか、飲食業の採択事例を下記にピックアップしました。
- 急速冷凍・加熱処理によるロングライフ食品の開発と事業化
- レトルト殺菌技術を活用した、“作りたての味 調理済ゆば”の開発
- もちもち感のある手作り宇都宮餃子の全自動化技術の開発
これらの事例からもわかるように、革新的な商品開発やそれに伴う機械設備の投資を計画した申請が採択されています。飲食業に関わる事業者でも、採択されるためには「ものづくり補助金」事業の目的に沿った事業計画を立案することが必要になります。
この他にも、下記のようなシステム開発を計画して申請した飲食店の事業者も採択されています。
- 飲食店の感染症拡大防止のための販売方法システム構築と商品供給体制の拡充
- 飲食店の3密回避!最新予約システム「NowDo」開発事業
- 飲食店向けフードデリバリー/テイクアウト注文一括管理システム
- 低価格SNS広告一括投入アプリ開発による飲食店の非対面事業への転換支援
- 飲食店広告媒体データのAI解析システム開発
まとめ
ものづくり補助金の申請にあたり、公募要領をよく読み、申請書を作成しなければなりません。必要書類も数多くあるため、申請に慣れていない方は、手続きに多くの時間を割いてしまうかもしれません。そういった際は、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談するのも一つの手です。
飲食店を経営されている事業者の方は、現在抱えている課題解決のための設備投資として、機械設備への投資・システムやIoTの導入を計画してみてはいかがでしょうか。
コロナ禍で、飲食業においては外食客が減ってしまった状況かと思います。テイクアウトや通販の対応など今後の事業計画を考える際に、ものづくり補助金をぜひ活用しましょう。