2024/4/26
2024/05/10
事業再構築補助金12回公募の変更点を解説!
2024年4月23日、事業再構築補助金の第12回公募が発表されました。
昨年秋の行政レビューにおいて厳しい指摘を受け、今回多くの改善を行い再開されました。
第12回公募では、既存の事業類型を見直し、今もコロナの影響を受ける事業者への支援およびポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者への支援に重点化が行われます。
当記事では、事業再構築補助金第12回公募の変更点を解説していきます。
目次
変更点その1:申請枠の見直し
まずひとつ目の変更点は、申請枠の見直しが行われました。
事業再構築補助金第12回公募の申請枠は下記のとおりです。
事業類型 | 補助上限額
(従業員数による) |
補助率 |
---|---|---|
成長分野進出枠 (通常類型) |
最大6,000万円(7,000万円) | 中小企業1/2(2/3)
中堅企業1/3(1/2) |
成長分野進出枠
(GX進出類型) |
中小:最大8,000万円(1億円)
中堅:最大1億円(1.5億円) |
中小企業1/2(2/3)
中堅企業1/3(1/2) |
コロナ回復加速化枠
(通常類型) |
最大3,000万円 | 中小企業2/3
中堅企業1/2 |
成長分野進出枠
(最低賃金類型) |
最大1,500万円 | 中小企業3/4(2/3)
中堅企業2/3(1/2) |
サプライチェーン強靭化枠 | 最大5億円
※建物費がない場合は3億円以内 |
中小企業1/2
中堅企業1/3 |
※()内は、短期で大規模な賃上げを行う場合
変更点その2:事前着手の廃止
ふたつ目の変更点は、事前着手制度は原則廃止となりました。
ただし、経過措置として、以下の場合に限り、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手届出が受理された場合は、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができます。
①第10回、第11回公募において、物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、コロナ回復加速化枠(通常類型)またはコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請する場合は事前着手ができます。
②第10回公募において、サプライチェーン強靱化枠の補助金交付候補者として不採択になった事業者が、第12回公募において、サプライチェーン強靱化枠に申請する場合は事前着手ができます。
変更点その3:補助金申請額に関わらず、金融機関による確認書が必要
3つ目の変更点は、金融機関の確認書についてです。
これまで、補助金申請額3,000万円超の場合のみ「金融機関の確認書」が必要でしたが、12回公募から、補助金申請額に関わらず「金融機関の確認書」が必須となりました。
変更点その4:売上減少要件の廃止
4つ目の変更点は、申請要件についてです。
従来までの公募は、「売上高が10%以上減少していること」が申請要件としてありましたが、第12回公募からその要件が廃止となりました。
今まで売上高の増加で対象外となっていた事業者も申請できる可能性があります。
変更点その5:審査体制の改善・強化
5つ目の変更点は、審査体制についてです。
●採択審査におけるAIでの重複率確認による類似案件排除が強化されました。閾値の見直しや範囲の拡大により、同じ計画書の使い回しを防止。
●一定期間に特定トピックの申請が集中した場合、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあることから、システム上検知し、審査を厳格化します。
●新分野進出の場合は、事業の新規性を公募ごとに再検証します。
●採択後の交付審査・実績審査用のシステムを刷新し、AIを導入するなどして審査を標準化・高度化される予定です。
事業再構築補助金第12回公募のスケジュール
第12回の公募スケジュールは以下のとおりです。
公募開始:令和6年4月23日(火)
応募締切:令和6年7月26日(金)
採択発表:令和6年10月下旬~11月上旬頃(予定)
まとめ
事業再構築補助金第12回公募以降の変更点を解説しました。
- 変更点1:申請枠の見直し
- 変更点2:事前着手の廃止
- 変更点3:補助金申請額に関わらず、金融機関による確認書が必要
- 変更点4:売上減少要件の廃止
- 変更点5:審査体制の改善・強化
これまでの公募とは内容が大きく異なっておりますので、申請をご検討の際は公式ホームページより最新の公募要領をご確認のうえ、スケジュールに余裕を持った申請を行っていきましょう。